クリーニング

作業価格

 
CH24(Yチェア)のクリーニングは¥6,000から。
 

椅子や仕様などにより変わります。
お問い合わせフォームからお問い合わせください。
 


写真は、もともとはオーク材ワックス仕上げ。
40年間使用した椅子をクリーニングしてワックス仕上げをしたものです。
クリーニング前(上3枚)は、日ヤケした色と汚れが付着しているためにこのような色に変わっています。
(経年変化は、椅子や材質、仕上げによって大きく変わります。)
クリーニング後にオイル塗装をした場合は、元のヤケ色に近い色に仕上がります。
研磨して、生地調整をすればそのままソープ仕上げとしてお使いいただけます。
ワックス仕上げをすれば、汚れにたいしても少し耐性が出ます。
ソープは洗ったままの色、ワックスは、少しツヤが出ますが、ほぼ、洗ったままの色になります。
 

ソープフィニッシュ  
石鹸溶液でのクリーニング

 
ソープ仕上の木部だけでなく、オイル仕上げの木部もクリーニング可能です。また、椅子だけではなく、テーブルも同様にクリーニングできます。オイル仕上げの場合は、乾燥後にオイルを塗ってください。
 
ラッカー仕上げの場合は、同じ様に洗うと塗膜と木部の隙間に水分が入り込み、塗膜を劣化させ剥がれる原因になりますのでご注意ください。ラッカー仕上げの家具は、洗うのではなく石鹸溶液をタオルなどに染込ませ、固く絞ってから木部を拭きます。最後に、固く絞ったタオルなどで水拭きし、仕上げにから拭きをすればきれいになります。
ペーパーコードを張り替えるタイミングがフレームをきれいにする絶好のチャンスです。ご自宅でクリーニングする場合は、風呂場で温水を使うと手早くきれいにすることができます。その場合、スノコの上に椅子を乗せ、脚先が直接床に溜まった水に長い時間接しないようにしてください。できるだけ脚先から水分を吸収しないようにするのが、安全にソープでクリーニングするコツです。脚先が水に浸かったままで作業すると、割れや変色の原因になりますので注意してください。洗った後、濡れたまま放置せず、必ず綺麗なタオルなどで水分を拭き取ってください。

ペーパーコードのクリーニング

ペーパーコードは紙でできています。水に濡れてしまった場合、乾くまで使用しないでください。また、水分や汚れを取り除く時に、擦って傷をつけないように注意してください。日本のように湿気の多い環境では、ペーパーコードを洗うことは避けた方がいいと思います。乾く段階でシミができたり、石鹸分が残ったりします。
普段のメンテナンスは、掃除機にブラシ付きノズルをつけて、隙間の埃を除去してください。

木部のクリーニングはご自分でもできますが、注意も必要です。
注意を怠ると、木部の毛羽立ちや割れ、変形などが起こることがあります。
以下の説明をよく読んでから作業してください。


ご自宅で洗う場合 ー風呂場で作業すると安全に綺麗にできますー
 

脚先の水分を入念に拭き取ってください。
全体も、乾いたタオルで素早く拭き取ります。
木部が完全に乾いてからサンディングします。
生地調整の後、ソープ仕上げやワックス仕上げ、オイル仕上げなどをします。

  
  
 
  
  

 

石鹸でのクリーニングの方法

1:準備するもの

 
ボウル・食器洗い用のスポンジ・きれいなタオル・石鹸、カッターナイフ、40度くらいのお湯 200ccくらい・水 800ccくらい
 
石鹸は、ふきん洗い用石鹸などの無香料の石鹸。香料が入っていると、椅子に香りが残る場合があります。ボウルは2リットルくらいのもの。

2:石鹸をカッターナイフなどで削る

 
石鹸が溶けやすくなるように削ります。大さじ1杯分くらい削ってください。

3:石鹸溶液を作る

 
40°Cくらいのお湯 200ccに削った石鹸を入れて溶かします。石鹸が完全に溶けたら水 800ccを入れて、手を入れても熱くないくらいにさましてください。

4:クリーニング開始

 
スポンジに石鹸溶液をしみ込ませて、緩く絞ります。スポンジの替わりにタオルでもかまいません。石鹸溶液が垂れないようにしたい場合は、タオルに石鹸溶液を浸けてから固めに絞り、木部を木目に沿って拭いてください。

5:最初は、裏側などで試してから

 
クリーニングしたい箇所を、木目に沿ってスポンジでこすります。
1ヶ所だけ集中してクリーニングすると、色むらが出来る場合があります。広い範囲を少しづつクリーニングすると失敗しません。

 

6:汚れの拭き取り

 
浮き出た汚れは、タオルなどですぐに拭き取ってください。

7:表面についた汚れを洗いおとす

 
写真のように、表面についた汚れや、古いワックス・オイルなどを落とすことが出来ます。

8:このように変わります

左:洗った後  右:洗う前

 
左の写真は、オーク材/ワックス仕上げの場合ですが、石鹸で洗うとこのように見た目が大きく変わります。 
 
オイル仕上げの椅子の場合、この後オイルを塗ると、ほぼ元の色に戻り、汚れだけが落ちてリフレッシュします。

使用する石鹸
 

洗濯用石鹸  やフキン洗い用の石鹸などで洗えます。
純石鹸分が多いものを使うのが安心です。

石鹸溶液でパイン材の床を洗うことから始まった仕上げ方法
19世紀頃にデンマークで広く広まった、パイン材の床を仕上げる方法のようです。パイン材の床は経年変化で暗い色に変化してしまいます。そのパイン材の床が黄変するのを防ぎ、白く保つ為に石灰水を床に塗布していました。その床をメンテナンスするときに石鹸で洗っていた仕上げが、床だけでなく家具にまで広まったと言われています。現在は、石鹸溶液に石灰が混ぜられたWhite-soapというものも販売されており、洗浄するのと同時に床を白くすることができます。
石灰はパイン材の導管に入り込み、汚れを付きにくくする効果があるとのことですが、石鹸も脂肪分が導管に入り込み、汚れから木材を守る効果があるそうです。そのため、ソープ仕上げに使う石鹸は、脂肪分の多い(80%以上)石鹸でないと効果が少ないということです。

石灰水で黄変を防ぐ方法は針葉樹に適した方法で、オーク材などの酸性が強い木材には適さず、アルカリ性の石灰水と化学反応を起こすため濃い緑色に変色し、決して元には戻らないそうです。
石鹸の始まり
石鹸の始まりは、紀元前3000年頃、メソポタミア文明の初期、シュメール文明の粘土板に薬用としての石鹸の記述があるそうですが、大量に製造されるようになったのは12世紀頃のフランスのマルセイユ。今でもマルセル石鹸の名前を残すほどの石鹸工業の中心地だったとのことです。
1800年代以降に、やはりフランスで安価な石鹸の製造が可能になり、オートメーション化の技術も確立したようですので、日常的に石鹸をつかうようになったのはその頃からでしょう。
デンマークでは、フレーク状の石鹸(ソープフレーク)を使って衣類や床、家具を洗っていますが、ソープフレークは、街中のスーパーマーケットで簡単に入手できます。
1800年中頃に、このソープフレークを製造する機械がデンマークで開発されました。そのため、フレーク状の石鹸がデンマークでは一般的なのかもしれません。日本には工業用のソープフレークがあると聞いたことがありますが、一般的には入手できないようです。
その後、1900年代になってから商品としてのソープフレークが販売されるようになったので、この頃から北欧の家庭で一般的に使われるようになったと思われます。

ちなみに、フレーク状になっている理由は溶けやすくするためです。日本の固形石鹸もカッターなどで簡単に削れますので、フレーク状にしてお湯に溶かしてください。ソープフィニッシュには少ししか石鹸を使わないので、石鹸を丸ごとお湯に浸けてしまったら、後の処理が厄介になります。もちろん、粉石鹸も使えますが、匂いのきつい香料などが入っていない方が、あとあと匂いが残らず、良いと思います。

余談ですが、日本でソープフィニッシュのYチェアが販売されるようになったのは1995年4月頃からです。それ以前は、ワックス仕上げでした。このワックスは、パラフィンや蜜蝋、カルナウバ蝋などがブレンドされたもので、溶剤によって塗りやすい粘度に調整されていました。ワックスを塗る時には、溶剤の匂いが結構気になりましたので、工場で大量に塗る場合には、かなり匂いが気になったでしょう。それが、ワックスからソープに仕上げが変わった理由です。

工場でソープを塗るときどうするかというと、石鹸溶液のシャワーの中に椅子を通したり、風呂桶のような容器に石鹸溶液を入れて、その中に浸けています。オーク材はアクが出て石鹸溶液が茶褐色になりますので、ビーチ材とオーク材は別々の容器を使います。テーブルの場合はスポンジで塗布します。
ご自身でソープフィニッシュをする場合、オーク材の椅子は後回しにしてビーチ材やアッシュ材などの色の薄い木の椅子から始めましょう。また、石鹸の泡が木材の表面に残ったまま乾燥すると、シミができることがあります。